蔵王は大きくわけてふたつあります。
ひとつは山形蔵王です。
そしてもうひとつは宮城蔵王です。
山形県側の蔵王と宮城県側の蔵王があるのです。
蔵王は火山ですが、そもそも、蔵王という山はありません。
蔵王はいくつかの山が連なってできている連峰のことをいいます。
東北地方の中心を南北に連なっている、奥羽山脈の一部です。
県境に連なっていますので、宮城県と山形県の両方からアクセスできるのです。
ほぼ同じエリアにある連峰なのですが、県を越えると、だいぶ内容が違ってきます。
では、どんなところが違うのでしょうか?
わかりやすく解説してみます。
山形蔵王
山形蔵王は山形県側にあります。冬に賑わいます。
その理由は、スキー場が充実しているからです。スキーヤーやスノーボーダーが集まります。
国際規格のジャンプ台もあります。
名称は蔵王ジャンプ台ですが、ここでいう蔵王とは山形蔵王のことです。
宮城県の側の蔵王にはジャンプ台はありません。
スキー大会も頻繁に開催されています。
スキージャンプのワールドカップは毎年開催されています。
ですので、ウインタースポーツといえばやはり山形蔵王が定番です。
そして、そのスキー場のすぐそばには、温泉もあります。
蔵王温泉といいます。
蔵王温泉といえば、山形蔵王にある温泉のことをいいます。
山形という地名がつきませんので、慣れてない人は混乱するかもしれませんが、蔵王温泉といえば、山形蔵王にある温泉のことです。
宮城県側の蔵王には、山のふもとにしか温泉はありません。
遠刈田温泉です。しかしこの温泉は山のふもとですので、平地にあります。
遠刈田温泉のことを蔵王温泉とはいいません。
住所は蔵王町になっていますが、行くとわかりますが、本来の蔵王のイメージとは全く異なります。
蔵王連邦を、遠く、下から見上げる場所にあります。
さ蔵王温泉には、温泉旅館はもちろんのこと、ホテルやロッヂもありますので、温泉目的の観光客も大勢やってきます。
スキー場はナイター営業もしていますので、冬場はかなり賑わいます。
そして樹氷が有名です。
樹氷を見るにはロープウェーで山の頂上まで行きます。
樹氷はスノーモンスターと言われ、海外からの観光客で賑わいます。
観光客の人数は宮城蔵王よりも圧倒的に多いです。
宮城蔵王よりも道路が広いので車でも行きやすいです。
宮城蔵王
宮城蔵王には御釜があります。有名な火山湖です。
しかし御釜には冬季は行くことができません。雪で道路が通行止めになるからです。
初夏から秋の紅葉のシーズンまで通行できますが、雪が降り出すとクローズになります。
宮城蔵王にも、ひとつだけスキー場があります。
すみかわスキー場です。
冬に車で宮城蔵王に行く時は、すみかわスキー場までしか行けません。
すみかわスキー場から更に上に行くための道路「蔵王ハイライン」は通行止めになります。
樹氷の見学もできますが、こちらは大型のスノーモービルで見に行きます。
ロープウェーはありません。
すみかわスキー場の近くに温泉はありません。
遠刈田温泉からエコーラインという道路を使って登って行くのですが、エコーラインはかなりカーブの多い道路です。
日光のいろは坂を想像すると、わかりやすいかもしれません。
運転に慣れていない人は、怖いと感じかもしれません。
グーグルマップで確認するとわかります。特に冬は注意が必要です。
山形蔵王から宮城蔵王へのアクセス
雪のある時期は通行止めになりますので無理ですが、通行止めになっていなければ、山形蔵王から宮城蔵王に行くことができます。
県道53号線とエコーラインを使うと40分ぐらいで行けます。
紅葉のシーズンはおすすめです。蔵王のはしご観光ができます。
そもそも宮城蔵王の御釜は山形蔵王から直線距離でいくらも離れていません。
すぐ隣にあります。
冬はエコーラインは使えませんのでかなり遠回りをすることになり、はしご観光はできません。
おすすめの蔵王は?
ズバリ山形蔵王です!
御釜への観光が目的なら宮城蔵王をおすすめします。山形蔵王から御釜は見えませんので…。
それ以外は山形蔵王がおすすめです。
理由は以下の通りです
- 車で走りやすい
- 樹氷が凄い
- 温泉がある
- スキー場が充実
ひとつ付け加えますと、アクセスに一長一短があります。
例えば、関東方面から宮城蔵王に行く場合を想定してみます。
高速道路を使いますが、東北自動車道の白石インターで降りて、県道を走ります。
登り口までは、平坦な道ですので、誰でも楽に快適に走れます。
しかし道路は少しずつ登り坂になります。
登り坂になると、急にカーブの連続になります。
そして中には深いカーブもあります。いわゆるヘアピンカーブです。
そして登り坂の傾斜も大きくなります。道路に角度がつきます。
女性ドライバーや高齢者、サンデードライバーといった、運転に慣れていない人は、怖い思いをするかもしれません。
特に冬場は要注意です。
坂道までは楽で、坂道から先が大変なのが、宮城蔵王です。
では、山形蔵王はどうでしょう?
関東方面から山形蔵王を目指す場合は、東北自動車道の村田ジャンクションから山形自動車道に入ります。
山形自動車道の冬場の県境は、凍結する可能性があります。
運転に慣れてない人は、危険を感じると思います。
雪が降ると、50キロの速度制限がかかりますので、晴れた日よりも所要時間がかかることもあります。
その点も考慮して、時間に余裕を持って、観光するようにしましょう。
それと怖い点はもうひとつあります。
山形自動車道の村田から山形へ向かう区間は山間部を走ります。
山と山の間に高架橋をかけて道路が作られていますので、標高の高い場所を走ることになります。
落ちたらどうしよう…なんて考えてしまうかもしれません。
山形蔵王の場合は、登り口から先は、宮城蔵王のように連続したカーブや深いカーブはありません。
まとめると
宮城蔵王は登り口までは楽で、登り口から先が大変です。
山形蔵王は登り口までが大変で、登り口から先は楽です。
いずれにしても蔵王の冬は注意が必要です。くれぐれも夏タイヤで行くことのないようにしましょう。
東北の冬はスタッドレスタイヤが基本です。チェーンの持参も忘れずに。